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今が旬! スマートフォン・アプリ開発最前線

第3回 スマートフォン導入責任者の第一声は“セキュリティ!”

スマートフォンのビジネス活用で重要なのは、いかに自社に適したアプリケーションやソリューションを見極めるかです。その手助けとなるべく、本シリーズはアプリケーションやソリューションの開発者にインタビューを実施し、法人向けスマートフォン市場で何が注目されているのか紹介していきます。

 スマートフォンのビジネス活用最新トレンドを紹介する本シリーズの第3回は、インフォテリア株式会社の執行役員として、スマートフォン用ソフトウェアの企画から販売までを手掛けられている穴沢悦子さまに、企業ユーザーのスマートフォンに対するニーズなどのお話を伺いしました。

早すぎたスマートフォン対応、ところがある日を境に……

—— インフォテリアさまの提供する「Handbook」は、ドキュメントやファイルをタブレット型情報端末やスマートフォンに配信・共有できる企業向けのクラウド型サービスとして、大きな成功を収めています。どのようなきっかけで製品開発に着手されたのですか。

穴沢 当社はもともと「つなぐ」をキーワードとして、企業のデータやシステム連携を実現する「ASTERIA」というパッケージソフトウェアを提供して10年近くのノウハウを蓄積してきました。2007年初頭に米国でスマートフォンがブームになったことで、この「つなぐ」技術をいよいよ携帯機器に生かすことができると判断しました。当時、スマートフォンは個人がアプリを入れて使うものに過ぎなかったのですが、当社は将来スマートフォンの企業ニーズが生まれると確信して、ソフトウェア開発に乗り出しました。

 社内で試行錯誤を繰り返した結果生まれたのが「Handbook」。開発当初から企業用途を見据えており、個人向けではないという点で、ほかのスマホアプリとの差別化を狙っていました。もうひとつの差別化として、クラウド型サービスを取り入れました。「ASTERIA」は売り切り型のライセンス販売中心だったのに対して、「Handbook」は課金型のビジネスモデルを作りたいという意向もあったのです。

  • 「Handbook」のユーザーインターフェイス。たくさんの資料の中から閲覧したいファイルを簡単に探し出せるフォトアルバムのような構造
—— 「Handbook」は2009年6月にリリースされました。企業ユーザーの反応はいかがでしたか。

穴沢 「企業向け」「クラウド」という2つの差別化要因は、当時まだ時期尚早でしたね。スマートフォンは個人向け商材という固定観念が強く、「何で御社がスマートフォンをやるの?」「iモードをサポートしないと無理でしょう」「スマートフォンなんか使っている人はいないよ」といった反応が多かったです。

 ところが、2010年5月にアップル社からタブレット型情報端末が発売されると、「Handbook」との相性が非常によいことが理解されだして、急速に売り上げが伸びました。スマートフォン時代にお客さまからフィードバックしていただいた要望を地道に実装していたのがよかったのだと思います。

企業向けスマホアプリの絶対条件はセキュリティ

—— ユーザーから寄せられたフィードバックとは具体的にどんなものでしたか。

穴沢 お客さまが「Handbook」のような企業向けの情報共有ツールに最も強く求めるのはセキュリティです。

 クラウド型サービスのセキュリティについては、通信にSSLを使うとか、データセンターの運用も含め、以前から蓄積してきたノウハウを活用できていたので、これといった不足はありませんでした。

 一方で、スマートフォンに固有のセキュリティ機能は、お客さまからのフィードバックで追加したものも多くあります。例えば端末認証。最近は個人でスマートフォンを所有する人も増えてきました。個人所有の端末に無料の「Handbook」をインストールすると、会社から支給されているログイン用のID/パスワードを使って、会社の資料へアクセスできてしまう。そうしたセキュリティホールになり得る状況を回避するために、ログイン用のID/パスワードは会社が指定した端末IDからでなければログインできない設定を「Handbook Studio」というサーバ側からできるようにしました。

  • 「Handbook Studio」にはさまざまな禁止オプションが用意されている

 「Handbook」はファイルをダウンロードできるのがよいという声を多いただいております。プレゼンテーション用資料は、お客さま先ですぐに見せられるようにあらかじめ端末にダウンロードしておきたいというニーズは強いのです。ところが、資料をダウンロードしておくと、端末を紛失したときに情報漏えいにつながってしまう。そこで、ダウンロードを許可しないオプションをサーバ側で設定できるようにしたり。

 こうしたお客さまからのフィードバックに対応していったことが、よい結果につながったのだと思っています。

タブレット型情報端末に求められる4つのニーズとは

—— 「Handbook」はタブレット型情報端末の登場で販売が伸びたそうですが、どのような使われ方をしているのですか。

穴沢 企業ユーザーさまの利用シーンは大きく4つに集約できます。最も多いのは「プレゼンテーション」。「Handbook」から商品カタログなどをタブレット型情報端末に配信して、動画やPDFといった電子カタログを使って営業マンが顧客先で行うプレゼンテーションに利用されています。

 次に多いのが社内情報の共有です。営業マンが社内のどこからでも必要な営業用資料を参照できるような環境を構築するなどです。会議資料をペーパーレス化して電子ファイルとして端末に配信する目的で利用されるケースも急速に増えてきています。

 社内研修のための配信サービスとして「Handbook」を利用するケースも増えていますね。忙しい営業スタッフに向け、社内の集合研修に戻ってこなくてもすむように、研修用の動画をタブレット型情報端末に配信しておくのです。これならアポ待ちのちょっとした隙間時間でも勉強できますから、時間の有効利用に貢献します。また、動画でなければ理解できないような研修、例えば化粧品メーカーさまのメークアップの勉強など、手を動かして覚えるようなスキル研修に動画を用いるケースも多いです。

 最後は、スマートフォンを使ったペーパーレス会議です。紙資源の節約に加えて、グラフや図などの参考資料を手元のタブレット型情報端末で拡大して参照できたり、会議の直前まで資料に手を加えられると好評です。

セキュリティと利便性のトレードオフに商機を見出す

—— モバイル端末向けのアプリ開発のやりがいや難しさは?

穴沢 毎回ログインパスワードを入力するのが面倒なので、端末側にパスワードを記憶させる機能もあるのですが、企業ユーザーさまの中にはセキュリティを気にされることもあるので、その機能を使えなくするオプションも用意するといったように、いろいろと利便性を向上させるオプションを追加していく一方で、それを使えなくする禁止オプションも必ずサーバ側に追加しています。

 こうしたニーズは、当社としてもお客さまの声を聞いて初めて気づかされるものばかりでした。PC用アプリの開発と大きく異なるのは、端末を紛失したときにどう対応するのかをお客さまが非常に気にされる点です。こうした懸念に対し万全に対応できるよう開発を進めていくのが、当社のなすべき役割だと感じています。

 お客さまがスマホアプリを自社開発すると、OSバージョンアップにすべて自社で対応しなくてはならなくなる。それを当社のようなパッケージベンダーに任せてもらえば、責任を持って各OSの各バージョンに対応していきます。そういった面もメリットと感じてもらえたらうれしいですね。

 ここで紹介した「Handbook」「ASTERIA」といったインフォテリア製品についてのお問い合わせは下記からご連絡ください。

お問い合わせ

インフォテリア株式会社
執行役員
スマートソフトウェア事業部長
穴沢 悦子さま

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※記載内容は2011年8月現在のものです。

 

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